フリーランス(副業)で税金で損しない方法
みなさんはフリーランスや副業に憧れがありますか?
Webデザインや動画編集やプログラマーなどでフリーランスになる方がいます。
でも、何も準備しないでフリーランスになると、怖いです。
なぜ怖いか??
それは、税金や社会保険を、自分で管理する義務が生じるからです。

会社員の場合は、会社が手続きをしてくれたので楽でした。
でも、フリーランスになった途端、すべて自分で事務処理をおこなうことになります。
売上をあげた年に、急に何十万円もの所得税や事業税が請求される可能性があります。
怖いです!!
しかし、怖いのは知識がないからです。分からないからです。人は見えないモノや得体の知れないモノが怖いのです。
ただし、知識がついて税金や社会保険が少し分かるようになると、安心感が生まれます。
そのための対策本としてお勧めの本があります。これがこちらです。
『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!』
著者:大河内 薫(税理士)イラスト:若林 杏樹(漫画家)
コミカルな楽しい漫画を通して、税金のことが分かるようになります。
そして、確定申告を通して税金をコントロールできることを学べます。
それでは、自分のFPの知識も踏まえて、この本について自分なりの意見を記載します。
フリーランス・会社員が最初に知るべき“税金と社会保険の全体像”
フリーランスとサラリーマンの大きな違いは、フリーランスのほうの負担が大きく保障が少なくなる点です。
以下、フリーランスになった場合、以下のようになります。
①年金(将来の老後年金)が少ない。
サラリーマンの場合、厚生年金を会社が半分負担してくれます。フリーランスになると国民年金のみ全額自己負担になります。国民年金だけのため老齢基礎年金のみになり保障が少なくなります。
②健康保険が全額自己負担
サラリーマンの場合、健康保険は会社が半分負担してくれます。フリーランスになると全額自己負担になります。しかも、万が一、病気になっても傷病手当金がないため、収入援助がありません。
③雇用保険に加入できない
サラリーマンは失業した場合、失業給付が支給され一定期間の補償があります。しかし、フリーランスが廃業した場合は何もありません。そのためセーフティネットがありません。
④税金(社会保険)の手続きは、すべて自分が行います
サラリーマンは会社が事務処理を負担してくれました。フリーランスはすべて自己責任として自ら提出する必要があります。
| 項目 | 会社員(サラリーマン) | フリーランス(個人事業主) |
|---|---|---|
| 加入する年金 | 厚生年金 + 国民年金 (将来もらえる額が多い) | 国民年金のみ (将来もらえる額が少なめ) |
| 加入する健康保険 | 健康保険(組合・協会けんぽ) ※会社と折半。扶養家族は0円 | 国民健康保険 ※全額自己負担。人数分かかる |
| 病気・休業時の保障 | 傷病手当金・出産手当金がある | 原則、なし (自分で保険加入が必要) |
| 失業時の保障 | 失業保険(基本手当)がある | なし |
| 税金の手続き | 会社が代行(年末調整) ※給料から天引きされる | 自分で行う(確定申告) ※自分で納税額を計算・納付 |
| 経費の考え方 | 原則なし (給与所得控除のみ) | 認められる (PC代、家賃の一部など) |

あれ?
フリーランスになると、デメリットばかりだよ。。
心配だなー
ただし、フリーランスの強みは、「経費の考え方」です。
これを利用すると、税金をコントロールできることができます。
これがフリーランスによっての大きなメリットです。
フリーランスの最大のメリットは「税金を自分でコントロールできる」こと

一見するとフリーランスは「負担増・保障減」で損な役回りに見えます。しかし、そのデメリットを補って余りある、あるいは逆転させるほどの「攻め(収入増)」と「守り(節税)」の自由度があるのがフリーランスの魅力です。
「なぜ損に見えてもフリーランスを選ぶ人がいるのか」を、メリットに焦点を当てて分かりやすく解説します。
① 「生活費の一部」を経費にできる
仕事に関わるものであれば、生活に関わる支出の一部を経費に算入できます。
- 家賃・光熱費: 自宅を仕事場にしていれば、面積や時間に応じて「家賃の30%」などを経費にできます。
- 通信費・スマホ代: 仕事で使う分(50%など)を経費にできます。
- カフェ・飲食代: 打ち合わせや、外出先での作業(PC作業)は経費になります。
- 研修や取引先への出張費・宿泊費・懇親会:仕事に必要なため経費にできます。
具体例: 月収50万円の会社員とフリーランスを比べると、フリーランスは家賃や通信費を経費にすることで、「所得(税金がかかる対象額)」を会社員より大幅に圧縮でき、結果として手取りが逆転することが多々あります。
② 青色申告特別控除(最大65万円)
e-Taxで確定申告をするだけで、帳簿上の控除として、実額の支出がなくても65万円を差し引ける制度を国が認めてくれるような制度です。これだけで所得税・住民税が年間10万円単位で安くなることがあります。
| タイミング | やること | 目的 |
|---|---|---|
| 開業時 |
青色申告承認申請書を 税務署へ提出 |
青色申告をする権利を得る |
| 日々 | 会計ソフト等で記帳する ※複式簿記で記載(マネーフォワード クラウドなど) | 65万円控除に必要な書類を作る |
| 2月〜3月 | e-Taxで確定申告する | 実際に65万円を所得から引く(節税の実行) |
③確定申告を行うことで得られるメリット
①で経費控除、②青色申告特別控除の話をしました。
控除の話は、3月15日の確定申告に影響します。
確定申告を制する者は、税金コントロールを制することになります。
【確定申告とは】
1年間の売上から経費を引いた「所得」を自ら計算し、税額を確定させる手続きです。目的は正しい納税ですが、フリーランスにとっては「経費や控除による節税」や「収入証明」を得るための重要な権利でもあります。翌年2〜3月に、管轄の税務署へe-Tax(電子申告)や郵送、持参にて書類を提出します。
・サラリーマンの場合は、会社が年末調整を行うため、税務署へ行って確定申告するケースは少ないです。
・フリーランスは確定申告は税務署へ直接提出します。これは、
税金を正しく安くするため:
売上から「経費」を差し引くことで、課税対象となる金額を減らし、節税できます。
| 比較項目 | 会社員(サラリーマン) | フリーランス(個人事業主) |
|---|---|---|
| 申告の呼び名 | 年末調整 (会社が代行) |
確定申告 (自分で行う) |
| 計算式 |
所得の算出方法: 給与 - 給与所得控除 = 所得 |
所得の算出方法: 売上 - 経費 - 青色控除 = 所得 |
| 納税のタイミング | 毎月の給料から 先払い(天引き) |
1年分を翌年3月に 後払い |
| 経費の扱い |
原則認められない (年収に応じた概算控除のみ) |
実費が認められる ※領収書が重要 |
| 申告が必要な人 |
原則不要 (副業20万超、年収2千万超のみ) |
全員必須 (赤字の場合も申告が有利) |
確定申告をすることで、所得税・住民税を正しい金額で納税することが可能になります。
以下が月50万円の売上があった場合を、会社員(サラリーマン)とフリーランスで比較しています。(あくまで分かり易く表現した概要と考えて下さい。個別の税務判断については税理士や税務署に相談してください)
| 項目 | 会社員(月50万) | フリーランス(月50万) |
|---|---|---|
| 月間売上(額面) | 500,000円 | 500,000円 |
| 経費(家賃・PC等) | 0円 (認められない) |
100,000円 (仮定) |
| 青色申告特別控除 | なし | 54,166円 (65万÷12) |
| 税金がかかる額(所得) | 約370,000円 (※1) |
約345,000円 (※2) |
| 社会保険料 | 約75,000円 (会社と折半) |
約65,000円 (全額自己負担) |
| 所得税・住民税 | 約45,000円 | 約30,000円 (経費と控除で圧縮) |
| 【推定】月の手取り | 約380,000円 | 約405,000円 |
※1 給与所得控除を差し引いた後の月換算額
※2 売上50万 - 経費10万 - 青色控除5.4万 = 約34.6万

フリーランスの方が手取りが多くなりますね。
経費と青色申告特別控除のおかげのようです。
(ご注意)国民健康保険は自治体や前年の所得によって劇的に変わります。また、会社員の社会保険(健保・厚生年金)とフリーランス(国保・国年)では、将来の受給額が大きく異なるため、「手取り額だけを見てフリーランスが有利」と判断できない場合もあります。
④参考 確定申告書等作成コーナー
確定申告の申告方法の詳細は
国税庁 確定申告書等作成コーナー のリンク先を記載しておきます。
https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl
退職金を自分で作る(小規模企業共済・iDeCo)
フリーランスには会社員のような「退職金」がありません。

その代わり国が「節税しながら自分で退職金を作れる超強力な制度」を用意しています。
代表的な2つの制度、「小規模企業共済」と「iDeCo(イデコ)」について解説します。
小規模企業共済
小規模企業共済とは、国の機関が運営する「フリーランスや経営者のための退職金制度」です。
最大の特徴は、月最大7万円の掛金が全額所得控除になり、高い節税効果を得ながら積立ができる点です。廃業時や引退時に受け取れるほか、低利の貸付制度もあり、将来の備えと資金繰り対策を両立できる非常に有利な制度です。
商工会議所・銀行に相談できます。
iDeCo(イデコ)
iDeCo(イデコ)とは、掛金を自分で運用して老後資金を作る「私的年金制度」です。
最大の魅力は、月最大6.8万円(付加年金や小規模企業共済との合算)の掛金が全額所得控除になり、所得税や住民税を大幅に節税できる点です。運用益も非課税ですが、原則60歳まで引き出せないため、余裕資金での活用が基本となります。
将来の「自分年金」を賢く作るための強力なツールです。
ネット証券や商工会議所で相談できます。
なぜ「最強の節税」と言われるのか?
この2つの制度がフリーランスに推奨される最大の理由は、
「払った金額がそのまま経費のような扱い(所得控除)になる」からです。
さきほどの控除話の追加話になります。
【節税のイメージ】
例えば、月50万円稼ぐ人の節税効果
月収50万円(所得税・住民税率を約20%と仮定)の人が、月5万円を「小規模企業共済」や「iDeCo」に回すと、手元のお金はこう変わります。
| 項目 | 何もしない場合 | 月5万円を積み立てる場合 |
|---|---|---|
| 年間の積立額 | 0円 | 600,000円 |
| 課税される所得 | 4,140,000円 |
3,540,000円 (60万マイナス!) |
| 払う税金の合計 | 約820,000円 | 約700,000円 |
| 浮いた税金 | 0円 | 120,000円の節税 |

結論: 12万円分、税金が安くなります。
言い換えると、「60万円貯まったのに、自分のお財布からは48万円しか減っていない」というになります。
お得です!!
(注意)計算は説明用の概算になります。個別事項は税理士へご相談ください。
小規模企業共済・iDeCoの比較表
また、小規模企業共済とiDeCoならばどちらを優先した方がいいかと悩む場合はがあります。自分の意見としては、小規模企業共済です。
理由は柔軟性があり使い勝手がよいからです。
1.「廃業」が受け取り条件:
iDeCoは60歳まで待つ必要がありますが、小規模企業共済は「廃業(事業をやめる)」したタイミングで退職金として受け取れます。
2.いざという時の貸付制度:
積み立てたお金の範囲内で、低利(年利1.5%前後)で即日融資を受けられます。銀行の審査なしで事業資金を借りられる安心感はフリーランスにとって大きいです。
| 項目 | 小規模企業共済 (経営者の退職金) |
iDeCo (自分年金) |
|---|---|---|
| 制度の性格 | 国の退職金制度 | 私的年金制度(運用) |
| 最大のメリット | 掛金が全額所得控除(節税) +廃業時に一括で受け取れる | 掛金が全額所得控除(節税) +運用益が非課税 |
| 月額掛金 | 1,000円 〜 70,000円 | 5,000円 〜 68,000円 (※1) |
| 受け取り時期 | 廃業したとき、 65歳以上など |
原則 60歳以降 |
| 柔軟性 |
貸付制度がある (積み立てた範囲でお金を借りれる) |
60歳まで 絶対に引き出せない |
※1 付加年金や国民年金基金との合算枠となります。
まとめ
みなさん、少しは確定申告や税金のことが分かり、怖くなりましたか??

フリーランスにとって確定申告は、単なる義務ではなく「経費と控除を駆使して手残りを増やす」最大の節税チャンスです。
まず、仕事に関連する通信費や研修費や懇親会費などを「経費」として正しく計上し、課税対象となる所得を圧縮します。次に、小規模企業共済やiDeCoといった退職金制度を活用しましょう。これらの掛金は「全額所得控除」となるため、将来の備えを蓄えながら、現在の所得税や住民税を直接的に減らすことができます。
「稼ぐ・経費で落とす・控除で貯める」の3ステップを連動させることで、会社員以上に効率よく資産を築き、賢く税金をコントロールすることが可能です。
上記に記載したことは、『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!』の著書の一部の情報から、自分なりに解釈して説明しました。
上記本には、もっとフリーランスにとって重要な消費税(インボイス制度)や事業税の話なども分かり易い漫画で説明しています。フリーランスの「教科書」として超おススメです。
税金の恐怖から逃れるためにも、ぜひ購入して、笑いながら一読してみてください。
そして、控除で浮いたお金で、ぜひ旅行へでかけてください!

